洗い場のパートさんの「あいさつ」が沁みる…

言葉も一つの贈り物。届ける気持ちが大事だと教わった話。

繊細な心の私は、色々な事が気になって仕方ない人間です。

特に敏感になっている時は、朝の挨拶ですら、相手のリアクションに一喜一憂することもあり、困ったものです。

例えば、あいさつを雑に返された、とか、目が合わなかった、とか、何だか相手が不機嫌そうなリアクションだったとか…。

それだけでテンションが下がってしまうこともあります。

特に粗っぽい言葉は苦手で、

「おはようございます」→「おざっす」とか、「うす」などはとても気になってしまう性分です。

以前、私が勤めていた飲食店には、60代半ばの洗い場しかできないパートさんがいらっしゃいました。勤続は10年程だったかと思います。

その方は基本的に私よりも出勤時間が早く、私が後から出勤すると

「おはようございます!お疲れ様でございます!」

いつも必ず、とても気持ちの良い挨拶をして下さいます。

朗らかで、ハキハキしていて、どこか謙虚さも感じる、そんな挨拶でした。

当時の私は、日々疲れて出勤していましたので、その方の挨拶がとても心に沁みました。

あまりにも素晴らしい挨拶で、到底、私には真似できないと感じていたので、ある時、そのパートさんに尋ねてみました。

私:「野田さんの挨拶って、いつもめちゃ気持ちイイですよねー。どうすれば、そんな挨拶できるんですかー?」

野田さん:「とんでもないです。そんなお褒め頂くようなものではないですよ。」

私:「いやいや、本当にすごいです。」

野田さん:「私はただ…」

野田さん:「私みたいな年寄りを長年雇って下さって、毎日働かせて頂いてることにとても感謝してるんです。もしかしたら、それが挨拶に関係してるんですかね…」

野田さんは少し恥ずかしそうに話してくれました。

心に刺さる、ジーンとくる野田さんから頂いた貴重なお話しでした。

言葉の力、本当に侮れないです。相手を傷つけることも、喜ばせることも出来れば、凶器にも贈り物にもなる…。

言葉を大切に使うこと。           きちんと心を込めて丁寧に相手に届けること。

野田さんから改めて教わりました。

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